アサシンクロスの詩

 ―――語っていた。歌った。分からず屋の吟遊詩人が。

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アサシンクロスの詩



 強くなりたいと思え。

 馬鹿にされない力が欲しいならそう願え。
 自身全てを闇に溶かし、毒に埋もれる事になろうと。

 その刃先の旋律が残るようになるまで、
 その剣技の舞が見えなくなるまで、
 その優しさが無くなるまで、
 その未来が見えなくなるまで、
 その心の光が見えなくなるまで。

 お前はその覚悟があるか?

 幾多の試練を乗り越え、人ならざる者になろうと。

 また苦しみ、
 また悲しみ、
 また笑わず、
 また喜ばず、
 また誰かの未来を絶つ。

 お前はその覚悟があるか?

 見事だ。もうお前はアサシンクロスだ……





「なんでこれを創っただって?……あんさんの想像に任すわ」

 プロンテラ露店街の中で、一人の吟遊詩人が弦をまた一つ引いた。

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